White Swan

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こんにちは。ゴーストです。今朝はちょっと落ち込むことがありました。お気に入りの歯磨き粉を切らしてしまったんです。今日の僕、いえ、昨日の僕は随分とうっかりしていたようです。

素晴らしい歯磨き粉について
ホワイトスワンの歯磨き粉

皆さん、これを見たことがありますか?ゴーストタウンでは一般的なものですが、人間の町ではあまり見かけないかもしれません。これはホワイトスワンの歯磨き粉です。

この歯磨き粉の特徴は、白鳥のように歯が真っ白になることと、練られた歯磨き粉が白鳥に変化することです。僕はこの歯磨き粉が大好きなのですが、うっかりストックを買うのを忘れてしまっていました。なんということでしょうか。

昨夜ぐっすり寝て、とても気分良く起きたというのに、洗面所の鏡の前で項垂れてしまいました。振っても絞ってもちっとも出てきません。ジェットコースターのようなスピードで気分が盛り下がっていきます。チューブは剃刀のように鋭利な形状になっています。僕はもう床とキスしてしまいそうです。

なぜ歯磨き粉はここにありませんか?

昨日、退勤した時は歯磨き粉のストックについて覚えていました。いつも購入しているお店が帰り道にあるので、買って帰るつもりでした。

お店に入った途端、顔馴染みの店主に引きずられて、バックヤードでのお茶会に参加させられました。このお店の店主は旅が大好きです。頻繁に色んなところへ旅に出ます。旅先で集めてきた色んなものをお店に並べて売っています。

今回はお土産にラム酒がたっぷり効いたフィナンシェを買ってきたらしく、僕もお裾分けしてもらいました。これがとても美味しくてつい食べ過ぎました。体がポカポカして、頭は程よくぼんやり、とても良い気分で帰路につき、シャワーを浴びて即就寝。

どこで歯磨き粉を買いましたか?

私はそれを買いに行きます

そんなわけで、目当てのものを買い忘れてしまった僕は床とのキスをギリギリのところで回避し、開店と同時にお店に足を踏み入れました。目的の棚まで直行します。歯磨き粉をサッと一つ、いや二つ手に取って、他のものには目もくれずレジに向かいました。

店主の片方(そうそう、二人いるんですよ)が「早いねえ、ボス(ローソクさんのこと)のおつかい?」と聞いてきたので、僕はもごもごと説明をしながら代金を支払います。僕の説明を聞いた店主の片方は大きな口を開けて笑っていましたが、もう片方はいつも通り無表情でこちらを見ていました。なんだかちょっと恥ずかしいなあと思いながら、店をあとにします。

ドアを閉める直前、後ろから店主の片方の「虫歯になるなよ〜!」という大きな声が聞こえてきたけれど、僕は余計に恥ずかしくなって、ドアをバタンと閉めてしまいました。