Daydream

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こんにちは。ゴーストです。

今日もいいお天気でした。どんよりとした雲が空一面に広がって、恥ずかしがり屋の太陽は顔を見せたくないようでした。それでも夜のように暗いわけではなかったので、そこにいるにはいるのでしょう。お昼時まで霧が晴れませんでした。外だけではなくて、部屋の中までも湿った空気が充満して、目に映るもの全てがぼんやりと朧げに見えました。しかし、正しい見え方というのはそもそも何なのでしょうか?ハッキリと鮮明に見えていることが正しいのでしょうか?

正しい人というのは何なのでしょうか。ひとつの肉体とひとつの精神がしっかりと手を取り合った姿でしょうか。ひとつの肉体の中にはひとつの精神しか存在し得ないということを何故疑わないのでしょう。

それはさておき、こんなお天気の日にするお昼寝はとても気持ちがいいです。彩度の低い世界は目覚めてしまったあとの夢に似ています。目覚めた瞬間から、つい先ほどまでみていた夢は急速に鮮やかさを失っていきます。もしかしたら、見ている最中も鈍い色なのかもしれません。でも、思い出せません。

ソファの色はこんな赤だったでしょうか。床のタイルはこんな緑だったでしょうか。昨日のそれらがどんな色だったのか、思い出そうとすればするほど灰色に近づいて、やがて全ての色が消えていきます。

ソファの上で眠る人と昨日どんな会話をしたのか、もう忘れてしまいました。あたたかそうな毛布に包まれて、気持ちよさそうに眠っています。僕と同じ顔をしたこの人も、僕と同じ夢をみるのでしょうか。

ある日の午後